いらないモノ、ひつようなモノ

書籍、音楽、そして若干のテクノロジー

ロリータ

わりと最近ナボコフのロリータを読んでみた。こんなにスゲー本だとは思っていなかった。「ロリータ」と言う言葉が、現代の日本の家電商品をヒット商品させるために血道をあげるようなゲスな妄想フィルターにかけられて、純粋さや脆弱で壊れそうな美弱さを剥ぎ取られて、サラリーマン的な地べたを這いつくばる言葉に落ちていることに初めて気がついた。ナボコフの描く美文の世界の出来事が、TVで繰り返し濾過再生される日常の屑な笑いとは全くつながらないし(当然だけど)、すごく衒学的なスタイルを貫いているのもオレからすると、崇め奉りたくなる。